三国峠のシンボルといえば、なんと言っても深緑や紅葉の海に浮遊するように架かる「松見大橋」だ。全長330mを誇るこの赤い橋は、単なる交通インフラにとどまらない。大雪山国立公園という極めて貴重な自然環境を保護するため、地形を大きく崩さずに跨ぐ工法として設計された歴史を持つ。樹海を傷つけないよう配慮された橋の構造こそが、結果として世界屈指の美しい景観を生み出すこととなった。
橋を眼下に見下ろすなら、三国峠展望台のデッキが最高のロケーションだ。視界いっぱいに広がる樹海と、ゆるやかなS字カーブを描く松見大橋。その奥に聳え立つ石狩連峰の雄姿は、まさに絵画のような完成度を誇る。早朝には霧が雲海となって樹海を覆い、橋だけが雲の上に浮かび上がる幻想的な光景に出会えることもある。