学んだ知識を実戦で使えるスキルへと昇華させるため、模試や定期テストで頻出する標準問題を題材に、プロの解法プロセスをトレースします。
【問題】
直線上の線路を速さ $20\,\text{m/s}$ で走行していた列車が、ブレーキをかけて一定の加速度で減速し、ブレーキ開始地点から $100\,\text{m}$ 進んだところでちょうど停止した。
(1)列車の加速度の大きさを求めよ。
(2)ブレーキをかけ始めてから停止するまでにかかった時間を求めよ。
【思考プロセスと解答(1)】
まず問題文の条件を記号で整理します。
・初速度 $v_0 = 20\,\text{m/s}$
・変位 $x = 100\,\text{m}$
・停止したことから、最終的な速度 $v = 0\,\text{m/s}$
(1)では「加速度 $a$」が問われており、ここまでの条件に「時間 $t$」の情報は一切ありません。したがって、選択すべきは時間を含まない第3式です。
$v^2 - v_0^2 = 2ax$
$0^2 - 20^2 = 2 \times a \times 100$
$-400 = 200a$
$a = -2.0\,\text{m/s}^2$
問題文は「加速度の大きさ」を問うているため、符号を取った絶対値で答えます。大きさは $2.0\,\text{m/s}^2$(進行方向と逆向きに $2.0\,\text{m/s}^2$)となります。
【思考プロセスと解答(2)】
続いて停止までの「時間 $t$」を求めます。すでに初速度 $v_0 = 20\,\text{m/s}$、最終速度 $v = 0\,\text{m/s}$、加速度 $a = -2.0\,\text{m/s}^2$ が判明しています。最も計算が簡単な第1式を適用します。
$v = v_0 + at$
$0 = 20 + (-2.0) \times t$
$2.0t = 20$
$t = 10\,\text{s}$
したがって、停止までにかかった時間は 10秒 と導けます。公式の選択理由が明確であれば、計算自体は中学数学レベルの1次方程式に過ぎないことが理解できます。