自然言語処理の進化をもってしても、依然として高いハードルとして立ちはだかるのがスラング(俗語)やストリートの口語表現だ。世界的に大ヒットしたインドネシアのアクション映画『ザ・レイド』を観ればわかる通り、日常のリアルなインドネシア語には辞書に載っていない略語や若者言葉が溢れている。
例えば「Bisa(できる)」や「Ya(はい)」といった基本単語ひとつをとっても、文脈やトーンによって肯定・拒絶・曖昧な同意など多様な意味に変化する。AIモデルは膨大なテキストデータから学習しているものの、映画のセリフに見られるような熱量や現場の空気感、文化的な文脈依存の強い表現を正しく汲み取るには、まだ人間による文化的な補正が不可欠だ。