体温計の目盛りをごまかす試みは、決して令和の若者だけの発明ではない。80年代を代表する米コメディ映画『フェリスはある朝突然に』では、主人公が白熱電球の熱を利用して体温計の数値を跳ね上げ、見事にズル休みを勝ち取る名シーンが描かれた。このクラシックな映画的トリックは、形を変えながら今も生き続けている。
近年ではYouTube上の検証動画やSNS、さらにはYahoo!ニュースのコメント欄などで「熱を高く見せる裏テクニック」として雑談のネタにされることも珍しくない。昭和から平成にかけて定着したこうした生活裏ワザ・雑学は、身近な日用品を使って手軽に偽装できるという幻想を多くの人々に植え付けてきた。