1999年10月、JR桶川駅前で21歳の大学生・猪野詩織さんが白昼堂々と命を奪われた。彼女は事件前、加害者側からの執拗な嫌がらせや脅迫に晒され、何度も警察へ助けを求めていた。しかし、捜査機関がその悲痛な訴えを深刻に受け止めることはなかった。被害者の尊厳が踏みにじられたこの惨劇は、警察行政の不祥事という致命的な欠陥を白日の下に晒した。
当時、埼玉県警察は告訴状の受理を先延ばしにし、挙句の果てには書類の内容を軽微なものへと書き換えるという不正行為を行っていた。被害者が殺害される事態を防げなかったばかりか、事件発覚後には被害者側の印象を悪化させるような情報操作さえ試みられた。本記事では、猪野詩織さんが辿った悲劇の真相、埼玉県警による組織的改ざんの闇、そして事件が後の法改正へと結実した足跡を独占的な検証結果とともに追っていく。