法律上の観点から詳しく紐解くと、この両者は根拠となる法律そのものが根本から異なる。個人の対立や権利義務関係を解決するための手続きを定めた民事訴訟法において、訴えを起こした「原告」の相手方となる当事者が「被告」だ。民事においては会社などの「法人」も被告になり得るため、必ずしも人間である必要はない。
これに対し、国家が犯罪に対して刑罰を科す手続きを定めた刑事訴訟法における当事者は「被告人」である。刑事裁判は被告人の身体の自由や生命、名誉に直接かかわる重大な手続きだ。そのため、権利の主体たる人間であることを明確に示す意味を込め、法的に「人」の字が付されている。