こうした人間の不変性と変容を視覚的に表現したメディア作品も多い。伝説的な教育・教養ドキュメンタリーとして知られる英国BBCの『7年ごとの記録』シリーズは、7歳の子供たちを50年以上にわたって追い続けた歴史的作品だ。7歳時点で見せた内向性、冒険心、階層意識の断片が、60代になった彼らの生き様にも脈々と流れている様は、まさにことわざの通りである。
現在ではNetflixなどで配信される多様な人間ドキュメンタリー番組でも、過酷な幼少期を過ごした人物が大人になって抱える葛藤が描かれ、視聴者に強い感銘を与えている。また、ディズニー&ピクサーの映画『インサイド・ヘッド』は、幼少期の「特別な記憶(コア・メモリー)」が感情の島を作り出し、パーソナリティを形成する構造を実に見事にアニメーション化した。NHK Eテレの教育番組などでも、こうした心理学・脳科学の知見を親しみやすい形で噛み砕き、子育て世代への啓蒙活動が続けられている。