夜、乾かしきれていない髪や何も保護していない状態で寝床につく行為は、髪にとって最大の試練と言える。就寝中の人間は一晩に平均20回以上の寝返りを打つ。そのたびに頭部と枕の間で強い剪断(せんだん)力が働き、毛髪表面を覆う繊細なキューティクルが剥がれ落ちていくのだ。
こうした日常的な物理的刺激の積み重ねについて、毛髪研究の権威である公益社団法人日本毛髪科学協会の専門家も警鐘を鳴らす。濡れたまま、あるいは湿気を含んだ状態で圧迫を受けると、毛髪内部の水分バランスが崩れ、不可逆的なダメージへと発展する。放置された毛髪は翌朝の広がりやうねりだけでなく、長期的には枝毛や切れ毛の直接的な原因となってしまう。