「ウインナーコーヒーにはソーセージが入っているのか」という笑い話のような勘違いは昔から後を絶ちませんが、語源は言うまでもなくオーストリアの首都「ウィーン(Wien)」に由来する「ウィーン風の(Wiener)珈琲」という意味です。
ただし、本場ウィーンのカフェ(Kaffeehaus)を訪れて「ウインナーコーヒー」と注文しても通じません。現地でこれに相当する伝統的メニューは「アインシュペナー(Einspänner)」と呼ばれています。
アインシュペナーとはドイツ語で「一頭立ての馬車」を意味する言葉です。19世紀のウィーンにおいて、御者(馬車の運転手)が客待ちの寒空の下で暖を取る際、手綱を持ちながらでも珈琲が冷めないよう、そして馬車の揺れで珈琲がこぼれないように、厚いホイップクリームの層でフタをしたのが始まりとされています。
日本においては、1960年代に東京・神保町の老舗喫茶店「ラドリオ」が日本で初めて提供したと伝えられており、当時の日本人にとって親しみやすいよう「ウインナーコーヒー」と名付けられて全国へと広まりました。