ここでは、家庭で完璧な味わいを再現するための志麻さんローストビーフの作り方を、工程ごとにわかりやすく整理します。使用する素材は手に入りやすい「牛ももかたまり肉(400g〜500g前後)」を基準としています。
【準備する材料】
・牛ももかたまり肉:約400g〜500g
・塩:小さじ1(肉の重量の約0.8〜1%)
・黒胡椒:適量
・サラダ油:大さじ1
<絶品ソース用>
・玉ねぎ(すりおろし):1/2個分
・赤ワイン:大さじ3〜4
・醤油:大さじ2
・みりん:大さじ2
・有塩バター:10g(お好みでコク出し用)
【ステップ1:常温への完全復帰】
冷蔵庫から出したばかりの冷たい肉を使うことは厳禁です。調理を始める最低でも1時間前(冬場は1時間半〜2時間前)に冷蔵庫から出し、室温に戻しておきます。指で肉の中心を押したときに冷たさを感じない状態にすることが、熱を芯まで届ける絶対条件です。
【ステップ2:下味と焼きつけ】
肉の表面に出た余分なドリップをペーパータオルでしっかりと拭き取ります。直前に全体へ塩と胡椒を満遍なくすり込みます。フライパンにサラダ油を引いて強めの中火で煙がうっすら立つ程度までしっかり熱し、肉を投入します。
牛ももかたまり肉の焼き加減におけるポイントは、肉を無駄にいじらないことです。一面につき約1分〜1分半、綺麗な焼き色がつくまでじっくり焼き、トングを使って側面や端も含めた「全面(直方体であれば6面すべて)」を合計6〜8分ほどかけて香ばしく焼き上げます。
【ステップ3:二重ホイルと余熱による熟成】
焼き上がった肉を直ちにアルミホイルの上に取り出します。ここからが「伝説の家政婦の肉料理テクニック」の真骨頂です。アルミホイルを隙間なく二重にしっかりと巻き、さらに清潔なキッチンタオルや布巾で包み込みます。この状態で室温で25〜30分間静置します。ホイルの中で肉汁が循環し、繊維の間に均等に行き渡ることで、切った瞬間に肉汁がまな板へ溢れ出るのを防ぎます。
【ステップ4:旨味を凝縮させた玉ねぎ赤ワインソースレシピ】
肉を取り出した後のフライパンには、旨味の塊である肉の脂と焦げ(フォンドヴィアンド)が残っています。これを洗い流してはいけません。フライパンを弱火にかけ、すりおろした玉ねぎを投入して透明感が出るまで炒めます。
そこに赤ワインを注ぎ、底にこびりついた旨味をこそげ落としながら煮立たせます。アルコールが飛んだら醤油、みりん、そしてホイルの中に溜まった貴重な肉汁(ジュ)をすべて加え、軽くとろみがつくまで煮詰めます。仕上げにバターを溶かし込めば、志麻さんローストビーフ絶品ソースの完成です。玉ねぎの甘味と赤ワインの奥深い酸味、そして肉汁のコクが三位一体となり、肉の淡白さを極上のリッチさへと昇華させます。