若年層を中心とするデジタル空間において、「黒塗りのベンツ=怖い」というイメージがどこかユーモラスに消費されている現象も見逃せません。X(旧Twitter)や掲示板で頻繁に見かける「黒塗りの高級車に追突してしまう」という定型フレーズは、2000年代初頭の成人向けビデオ冒頭に含まれていたナレーション構文が発祥です。
「疲れからか、不幸にも黒塗りの高級車に追突してしまう。後輩をかばいすべての責任を負った三浦に対し、車の主、暴力団員谷岡が言い渡した示談の条件とは…」という一連のテキストは、ネットスラング(通称:淫夢語録)として数え切れないほどのパロディを生み出しました。
こうした黒塗りベンツに対するネットの反応は、かつてのリアルな恐怖感を脱色し、一種の「お約束のトラブルシチュエーション」として定着させました。しかし、ネット上でネタとして親しまれつつも、実際の路上では「絶対に追突したくない相手」としての存在感を放ち続けています。