1978年、資生堂のCMソングに起用されたシングル『時間よ止まれ』は大ヒットを記録し、矢沢永吉の名は全国津々浦々まで轟いた。メロディアスで洗練されたサウンドはロックファンのみならずお茶の間をも魅了したが、絶頂期であればあるほど、スターを巡る環境は過酷さを増していった。
過密スケジュールと世間からの熱視線に晒される日々。マリア夫人は決して前面に出ることなく、家庭環境を徹底して守り抜いた。過剰な喧騒から彼を解き放ち、普通の感覚を取り戻せる場所を作り続けたこと。それこそが、過酷な音楽業界の第一線で彼が息長く輝き続けるための最大のパワー源だった。