インターネット上の掲示板やSNSでは、この曲に関してしばしば「バブル景気の浮かれたノリで作られたイケイケの曲」と語られることがあります。しかし、これは明確な歴史的誤解です。
楽曲がリリースされた1984年初頭は、いわゆるバブル経済(1986年後半〜1991年)が始まる直前であり、当時の国鉄は累積赤字が深刻化し、民営化(1987年のJR発足)に向けた厳しい構造改革の渦中にありました。つまり、このキャンペーンは単なる好景気の浮かれ騒ぎではなく、崖っぷちに立たされた巨大組織が生き残りを賭けて仕掛けた起死回生のプロモーションだったのです。
また、音楽的にも「勢い任せの宴会ソング」などでは決してありません。井上鑑による緻密なシンセサイザーのレイヤーとブラスセクションの配置、そして井上大佑が仕掛けた転調の妙は、極めて高度な音楽理論に裏打ちされています。カラオケで実際に歌ってみると痛感するように、息継ぎのポイントが極端に少なく、サビの高音域をハリのある声でキープしながらリズムに乗せる難易度は、J-POP全体で見てもトップクラスに位置しています。