メディア論や情報社会学の観点において、近年の大きなテーマとなっているのが「テレビ派」と「ネット派」の情報受容スタイルの違いです。
スマートフォンやSNSを中心に情報を能動的に検索する「ネット派」は、自分の興味関心に特化した情報を短時間で得る(タイムパフォーマンスを重視する)傾向があります。これに対し、夕方のローカルワイドに代表される「テレビ派」は、「受動的に点けておくことで、予期せぬ地域情報や生活の知恵に出会える(セレンディピティ)」という決定的なメリットを持っています。
広テレの『テレビ派』は、この両者の溝を埋めるべく、放送内容の要点をWeb記事化したり、人気特集を公式見逃し配信へ即座にアップロードするハイブリッド戦略を推進しています。これにより、「普段はネット派だが、広島の地域ニュースはテレビ派で押さえる」という新たなユーザー層の開拓に成功しています。
【プロの結論】情報過多時代におけるローカルメディアの賢い活用法
現代はアルゴリズムによって最適化されたネット情報に囲まれるあまり、フィルターバブルや確証バイアスに陥りやすい時代です。だからこそ、地域社会と直接つながるローカルテレビ番組の価値が見直されています。
地元の行政情報、身近な防災知識、商店街の活性化に向けた取り組みなど、生活の基盤となる情報はネット検索だけでは網羅しきれない側面があります。『テレビ派』のような地域密着メディアを日常のルーティンに取り入れつつ、気になった深掘り情報はネットで補完するという「メディアの使い分け」こそが、情報過多時代における最も健全な情報リテラシーといえます。