初期微動継続時間の求め方と大森公式|震源距離を割り出す決定打

初期微動継続時間の求め方と大森公式|震源距離を割り出す決定打

今注目を集めている 初期微動継続時間の求め方と大森公式|震源距離を割り出す決定打について、多角的な視点を分かりやすく掲載しています。

地震波は、断層が破壊された瞬間、震源から全方位へ向けて同時に放たれます。しかし、地上に届く波は1種類ではありません。性質の異なる2つの波が同時にスタートラインを切ることで、到着時刻に「決定的なズレ」が生じます。

最初に到着するのが、疎密波(縦波)であるP波(Primary wave)です。岩盤を押し縮めながら秒速約6〜8kmという猛スピードで進み、地表に小刻みな縦揺れ「初期微動」をもたらします。その直後を追いかけてくるのが、剪断波(横波)であるS波(Secondary wave)です。進行方向に対して垂直に揺れるため、秒速約3.5〜4.5kmとP波の半分近くの速度しか出ません。しかし、地表を左右上下に大きく揺らす破壊的な「主要動」を引き起こします。

足の速いP波と、足の遅いS波。距離が伸びれば伸びるほど、先行するP波と後続のS波の間隔は広がります。これは、100メートル走で俊足の選手と鈍足の選手が走ったとき、ゴール地点が遠くなるほどタイム差が開くのと同じ原理です。つまり、初期微動と主要動の違いを時間として記録した「初期微動継続時間」を計測することは、2つの波が走ってきた距離を逆算するメジャーを手にしていることと同義なのです。

この初期微動継続時間と震源距離の比例関係を、1899年に世界で初めて数式として体系化したのが、日本の地震学の父と呼ばれる大森房吉博士でした。博士が提唱した「大森公式」こそが、現代の地震観測においても基礎として生き続ける金字塔です。

渡辺 美咲
著者

渡辺 美咲

心身ともに健康で持続可能なライフスタイルをテーマに、最新のウェルネストレンドを発信中。