鳥類との接触が引き起こすアレルギー反応には、消化器症状や全身症状を伴う特異な病態が存在する。それが「バード・エッグ症候群」だ。鳥類を長年飼育したり頻繁に接触したりして鳥抗原を吸入しているうちに、鳥の血清アルブミン(Gal d 5)に対してアレルギーを獲得し、その結果として加熱不十分な鶏卵や鳥肉を口にした際に激しいアレルギー反応を起こす。
日本における食物アレルギー研究の第一人者である海老澤元宏医師らが関与する臨床研究でも、この交差反応性の機序は詳細に解明されてきた。成人になってから突然発症する卵アレルギーの背景には、過去の鳥類飼育歴や羽毛製品の使用歴が隠れているケースがPubMedやJ-STAGEの最新論文でも多数報告されている。皮膚の痒みや蕁麻疹にとどまらず、最悪の場合は血圧低下を伴うアナフィラキシーショックに至るため、鑑別には極めて高度な専門知識が求められる。