ネットの口コミや現場従事者の告白を収集すると、資格の差によって生じる生々しい心理的葛藤が浮かび上がってきます。
「短大を出て念願の病院給食に就職したが、実態は朝から晩まで野菜の皮むきと数百食の盛り付け。白衣を着て回診に同行する直営の管理栄養士さんから指示を受けるだけの毎日に、手首の腱鞘炎と虚しさが募り、3年で現場を去った」(元受託給食会社勤務・20代女性の手記より)
「福祉施設で長年栄養士として働いてきたが、法改正で『管理栄養士を配置すれば加算が取れる』となった瞬間、自分より10歳以上若い新卒の管理栄養士が管理職待遇で入社してきた。経験や調理の腕では負けていない自負があっても、資格の壁はどうにもならなかった」(知恵袋・SNSに寄せられた40代従事者の告白)
一方で、管理栄養士の資格を持っていれば万泰というわけでもありません。臨床現場では「国家試験に受かっただけで、大量調理の段取りもできない、厨房スタッフとの人間関係も築けない」と現場叩き上げの調理師・栄養士から厳しい視線を浴びるケースもあります。資格はあくまで「土俵に上がるための通行手形」であり、そのうえで調理現場への敬意と現場オペレーションへの理解がなければ、真のリーダーシップは発揮できません。
また、最初から「子どもたちの食育に関わりたい」と割り切り、保育園で離乳食やアレルギー対応のプロとして園児や保護者から深く愛される栄養士や、自らの料理センスを生かしてカフェプロデュースやレシピ開発のインフルエンサーとして独立する道を選ぶなど、資格の序列にとらわれず個性を開花させている層も確実に存在します。