全国に点在する動物園の中で、なぜこれほどまでに東かがわ市のしろとり動物園が熱狂的な支持を集めるのか。その根本的な要因は、徹底して人間と動物との垣根を取り払った設計思想にあります。多くの公営動物園では厚いアクリルガラスや深いモート(堀)によって人間と動物が断絶されていますが、ここでは柵の隙間からキリンが長い首を伸ばし、放し飼いのウサギやリクガメが来訪者の歩道をごく自然に横切ります。
取材を進めると、この運営形態には明確な原点がありました。もともとサーカスの動物調教を手がけていた創業家が立ち上げた施設であり、「動物と人が心を通わせる距離」を極限まで追求した結果が、現在の「手作り感あふれる開放空間」へと結実しています。動物たちが怯えることなく人間社会に溶け込んでいる状態こそが、しろとり動物園が自由すぎる理由の核心です。
園内各所で販売されているバケツ入りの野菜やペレットを手にした瞬間、常連の動物たちが熱烈な歓迎を見せてくれます。受け身の鑑賞にとどまらず、動物側の能動的なアプローチに巻き込まれるスリルと感動こそ、一度訪れた来園者がリピーターへ転じる最大の誘因となっています。