現在のアパレル産業および小売業全体を見渡したとき、無視できない巨大な潮流となっているのが古着・ヴィンテージ市場の拡大だ。かつてはサブカルチャーの発信地だけに限られていたヴィンテージショップが、今や全国の主要駅周辺やローカルな商店街にまで自然と溶け込んでいる。
サステナビリティへの関心の高まりも手伝い、若い世代を中心に「他者と被らない一点物」を求める熱量はかつてなく高い。80年代から90年代のデッドストックや、丁寧に着古された風合い豊かなミリタリーアイテムなど、時間というフィルターを通した服には独特の存在感が宿る。チェーン展開する古着店から個人経営の隠れ家ショップまで、近所の路地裏を少し探検するだけで、唯一無二のアーカイブに出合える環境が整っている。