著名人をどのように政治の舞台へ組み込むかという手法において、既成政党と新興勢力の間には鮮明なコントラストが存在する。
自由民主党は長年、国民的アイドルグループ出身の今井絵理子をはじめとする知名度の高い候補者を比例代表の牽引役として起用してきた。強固な党組織と官僚機構を背景に持つ同党において、彼女たちに求められるのは主として浮動票の掘り起こしと党の親しみやすさの演出だ。しかし、ひとたびスキャンダルや政策知識の不足が露呈すれば、激しい世論の批判に晒されるという脆さも抱えている。
対照的な立ち位置を築いたのが、俳優から政界へと転じた山本太郎率いるれいわ新選組だ。山本は既存の芸能人政治家のような「党の広告塔」にとどまらず、自ら党を旗揚げして過激なまでの街頭演説と直接対話を展開。芸能界で培った表現力と言葉の瞬発力を、自らの経済政策や反緊縮のメッセージを浸透させるための武器として徹底的に再定義した。同じタレント出身でありながら、一方は組織の看板として、もう一方は体制を揺るがすアジテーターとして機能している。