インターネット上では「地方のゲームセンターは全滅寸前」という言説がまことしやかに語られがちですが、これは半分正しく、半分は現場の実情を見誤っています。起きている現象は「消滅」ではなく「機能の完全な分離と業態転換」です。
かつてのゲームセンターは、ビデオゲーム、プライズ、メダル、プリントシール機が雑多に混在するカオスな空間でした。しかし現在、ライトユーザー向けの需要はスマホゲームに吸収されたため、店舗側は「スマホでは絶対に体験できないフィジカルな遊び」へとリソースを集中させています。大型クレーンゲームの巨大アームや、重厚なスピーカーから響く音ゲーの爆音、物理的なメダルの落下音といった「身体的快楽」に特化した空間設計へと進化しているのです。「昔ながらの駄菓子屋ゲーセン」を基準にすれば衰退に見えますが、エンタメ空間の体験価値としてはむしろ純度を高めているのが現場の偽らざる真実です。