堂内に充満する煙と、天井を焦がさんばかりに燃え盛る火柱。あさか大師香林寺で執り行われる護摩祈祷は、目撃する者の五感を根底から揺さぶる。導師が壇上で印を結び、真言を唱えながら供物を炎へと投じると、堂内の空気は一瞬にして張り詰め、参拝者の背筋が自然と伸びる。炎は一切の煩悩と悪因縁を焼き尽くす不動明王の智慧そのものだ。
「事業の破綻寸前で藁をもすがる思いで祈祷を受けました。炎を見つめているうちに不思議と迷いが消え、その数週間後に思いがけない支援者が現れたのです」。都内でIT企業を経営する40代男性は、かつての切迫した面持ちを和らげながらそう振り返る。彼の体験は決して例外ではない。病気平癒、人間関係の修復、転職の成功——人生のどん底から劇的な好転を遂げた者たちの証言が、この寺には集積されている。