RIP SLYMEが残した最大の功績は、日本のヒップホップというジャンルをメジャーシーンへ爆発的に普及させた点にある。RYO-Zをはじめとするメンバーたちの軽妙なラップとポップなトラックメイクは、コアな音楽だったヒップホップをJ-POPのメインストリームへと鮮やかに融合させた。
だが、その華々しい栄光の裏には、過酷なメジャーの波とプライベートの切り売りという過酷なリスクが背中合わせに存在していた。個人の私生活がグループ全体を飲み込み、絶頂期からの急転直下を招いた背景には、当時の過熱した芸能メディアと業界の構造的な歪みが存在していたと言わざるを得ない。