筆順を正しく理解した上で実践したいのが、プロの書家が実践している「美文字の造形ルール」です。手書き文字の印象を格段に引き上げるポイントは3つ存在します。
第1のコツは、左右の幅の比率を「1:1」にしないことです。「里」と「予」を均等な幅で書いてしまうと、文字全体が横に広がり、締まりのない印象を与えてしまいます。左の「里」は横幅をややスリム(全体の40%程度)に抑え、縦長を意識します。対する右の「予」に全体の60%程度の懐(ふところ)を与えることで、堂々とした安定感が生まれます。
第2のコツは、「里」の最終画(第7画)の処理です。この横線は右上がりに引きつつ、右端をあまり突き出さずに止めるのが鉄則です。右側につくりである「予」が控えているため、へんの右側を空けておく「譲りの精神(偏旁の調和)」を働かせます。
第3のコツは、「予」の第11画(最終画)である縦ハネの配置です。「マ」の中心よりもわずかに右側から縦線を下ろし始め、しっかりと下に伸ばしてから力強く左上へ跳ね上げます。「里」の底辺よりも「予」のハネの位置をわずかに低く設定することで、文字全体の重心が座り、習字のお手本のような風格が完成します。
なお、毛筆やペン字で「野 行書 書き順」を実践する場合は、点画を無理に切り離さず、「里」の中央縦線から下の横線へ、さらに「予」の「マ」から横線、縦ハネへとペン先を浮かせずに流れるようなリズムで繋げるのが極意です。楷書の筆順が完璧に身についていれば、行書へ崩した際にも線の繋がりが破綻しません。