インターネットの検索窓に施設名を入力すると、関連ワードに「がっかり」という表現がサジェストされることがあります。旅行情報サイトや知恵袋、各種SNSの投稿を丹念に洗い出し、取材データを照合すると、この不満の声には構造的な理由が存在することが見えてきました。
がっかりしたと感じた利用者の投稿を分析すると、不満の主要因は主に以下の3点に集約されます。
第1に、「美術館」というネーミングとのイメージギャップです。ルーブル美術館や国立西洋美術館のような、静まり返った空間で歴史的絵画や彫刻を静かに鑑賞する場所を想像して訪れた層は、館内の活気ある物販フロアや賑やかなファクトリーの雰囲気に直面し、「商業施設の色合いが強すぎる」と落胆してしまう傾向があります。
第2に、今治市中心部からの地理的距離です。今治タオル美術館は、今治駅やしまなみ海道の主要インターチェンジから車で約20〜30分ほど内陸へ入った朝倉地区の緑豊かな丘陵地に位置しています。「しまなみ海道観光のついでにすぐ寄れる」と思い込んでタイトな旅程を組んだ旅行者が、移動にかかる想定以上の時間にストレスを感じてしまうケースが散見されます。
第3に、無料エリアと有料ギャラリーの境界線です。エントランスから大型ショップ、一部の庭園までは無料で入場できるため、「無料エリアだけを見て帰ってしまい、肝心の本格的なアート展示や製造工程を見逃した」という利用者が、物足りなさを口にするパターンです。
しかし、こうした事前の思い込みを排し、「タオルの製造工程を学べるオープンファクトリーと、広大な庭園、タオルカルチャーが融合した複合リゾート」として訪れた旅行者からの満足度は85%以上の極めて高い支持率を示しています。施設の本質を正しく理解して足を運ぶことこそが、満足度を最大化するための鍵といえます。