株式会社フリーパワーが開発したギアシステムは、従来の自転車クランク内部に特殊なシリコンエラストマーを組み込んだ画期的な構造を持っています。テレビ番組『ガイアの夜明け』で脚光を浴びて以来、日常の移動手段を見直す多くの生活者から熱烈な視線を集めてきました。
一般的な自転車ペダリングでは、ペダルが上死点から下死点へ向かう「時計の2時から4時」の位置で最も強い力が加わり、12時や6時の「デッドゾーン(死点)」では推進力が途切れます。フリーパワーの仕組みは、最も力がかかる瞬間隔に内部のシリコンを圧縮させ、力を入れにくいデッドゾーンでシリコンが復元する反発力を利用してクランクを押し出すという物理的なエネルギー変換にあります。
ここで押さえておくべきなのは、フリーパワーと電動アシスト自転車の根本的な違いです。電動アシストはモーターが人間の漕ぐ力に対して最大1対2の比率で電力を供給し、坂道でもペダルを踏むだけでぐんぐん前へ押し出してくれます。一方、フリーパワーはあくまで「人間自身が生み出した踏力を効率よく再分配する装置」です。外部から新たな動力が加わるわけではないため、原動力は100%自力である点に明確な境界線があります。