ネット上のコミュニティやSNSでは、「通信が途切れるのはイヤホンのチップ性能が低いからだ」「安物だから壊れた」といった短絡的な言説が散見されます。しかし、ハイエンドモデルであっても設定次第で極端に接続性が悪化する構造的な要因が存在します。
その代表格がBluetoothオーディオコーデックの転送レート設定です。ハイレゾ相当の高音質を伝送するLDACやaptX Losslessなどは、標準的なSBCやAACと比較して最大3倍以上のデータ帯域を消費します。満員電車や交差点など電波が密集する環境で「音質優先」モードを有効にしていると、通信帯域の飽和によって激しい音飛びや片耳のミュートが発生します。これは故障ではなく、物理的なデータ帯域の制限による現象です。屋外での安定接続を求める際は、メーカー専用アプリから「接続優先モード」を選択するのが鉄則です。
また、左右独立受信方式(Qualcomm TrueWireless Mirroringなど)を採用している製品では、親機と子機の通信ロールが瞬時に切り替わる設計になっています。この切り替え時にスマホ側のプロセッサ負荷が高いと、片側の同期処理が脱落し、結果として片耳だけ音が消えるトラブルに発展します。