教室という限られた空間から飛び出し、SNSのタイムライン上で瞬時に目を引くビジュアルが求められる現在、クラスTシャツのデザイン人気は明確な地殻変動を起こしています。かつて主流だった「胸に大きなクラス番号と全員の名前をベタ塗りしたイラスト」は急速に影を潜め、私服のトレンドを取り入れたハイブリッドなスタイルが定番化しました。
その筆頭が、ストリートファッションシーンで熱狂的な支持を集める「ブロークコア(Blokecore)」の流れを汲んだクラスTシャツのサッカーユニフォーム風デザインです。ヨーロッパの強豪クラブや90年代のヴィンテージユニフォームをサンプリングし、光沢感のある吸汗速乾ドライメッシュ生地、襟付きリブ加工、バイカラーの袖ラインを配置。胸元には架空のクラブロゴやスポンサー風のタイポグラフィを大胆にあしらうことで、男子生徒のスポーティな躍動感と、女子生徒が大きめサイズをルーズに着こなすトレンド感が完璧に調和します。体育祭のグラウンドはもちろん、文化祭の薄暗いステージ照明の下でも圧倒的な存在感を放つ点が支持される最大の理由です。
対極のトレンドとして女子クラスや文系クラスを中心に支持を広げているのが、韓国風のおしゃれなミニマル・タイポグラフィです。アッシュグレー、スモーキーピンク、セージグリーンといったニュアンスカラー(くすみ色)をベース生地に選び、細身のサンセリフ体や手書き風の筆記体フォントを左胸や裾部分にさりげなくレイアウトする手法が定着しました。前面の主張を抑えることで洗練された都会的な抜け感が生まれ、行事終了後も「普通に普段着としてカフェに着ていける」というコストパフォーマンスの高さが高評価を得ています。
さらに、独自の文化祭クラスTシャツアイデアとして、暗闇で発光する蓄光インクやスマートフォンのフラッシュ撮影に反応して虹色に反射するリフレクタープリント、ストリートアートを思わせるサイバーパンク風のネオンカラーを取り入れる動きも目立ちます。写真だけでなく、動画プラットフォームでの「光の演出」を意識した仕掛けが、今年のスタンダードになりつつあります。