マングローブの根元は、複雑に入り組んだジャングルのような構造をしている。これが、大型の肉食魚や鳥類から身を守るための「天然のシェルター」として機能する。稚魚やカニ、貝類にとって、これほど安全な場所は他にない。
近年、沖縄本島周辺では開発や土砂流入により、干潟や藻場が減少している。そのため、マングローブ林が生物多様性を維持するための最後の砦となっているのだ。絶滅が危惧されるノコギリガザミや、渡り鳥のクロツラヘラサギなど、多くの希少種がこの泥濘に命を繋いでいる。この場所を失うことは、沖縄の海の豊かさそのものを失うことと同義である。