SNSのタイムラインを席巻している「絶対にほどけないリボン巻き」。朝に整えた愛らしいフォルムが、夕方の帰宅時まで一切形を崩さない様子を見て、「何か特殊なピン留めをしているのではないか」と疑問を抱いた方も多いはずです。しかし、その舞台裏にあるのは道具ではなく、物理的なテンション分散を計算した通し穴(アンカー)の活用にあります。
靴紐を結ぶときと同じ通常の「蝶結び」をマフラーで実践すると、首を左右に動かすたびにマフラーの端が外側へ引っ張られ、わずか30分ほどで結び目が回転して輪が垂れ下がってしまいます。一方、トレンドとなっている巻き方は、首元に作ったループの中に生地を「折り返して通す」セルフロック構造を採用しています。
下方向への重力がかかるほど結び目が締まり、首を激しく動かしても羽部分のテンションが保たれる仕組みです。ピンやゴムを一切使わずに、一日中ふんわりとした立体感を維持できる秘密は、この摩擦力の自己固定メカニズムに隠されています。