金田正一という投手の足跡を辿る上で、絶対に外せないのが国鉄スワローズ時代における規格外の活躍だ。勝ち星に恵まれにくいチーム状況にありながら、圧倒的な伸びを誇る直球と大きく落ちるカーブだけを武器に、NPBの打者たちを次々とねじ伏せていった。
シーズン30勝以上を何度も達成し、一人でチームの勝利の大半を背負う姿はまさに鬼神の如くであった。過酷な連投に次ぐ連投をものともせず投げ抜き、日本プロ野球機構の歴史に永遠に燦然と輝く通算400勝、そして4490奪三振という前人未到の数字を打ち立てた背景には、常軌を逸した勝ちへの執着があった。