主人公たちがマヨナカテレビの謎を追うにあたり、テレビの中の世界への侵入経路として選ばれたのは、ジュネスの家電売り場に展示されていた巨大なプラズマ薄型テレビでした。
自宅のブラウン管テレビでは人間一人が潜り込むにはサイズが足りず、店舗に置かれた大画面テレビが必要だったという物理的な理由もありますが、構造的な理由はもっと深層に位置しています。
テレビの中の世界は、「人々の見たいものしか見ない願望」や「流されるがままの大衆の無意識」が形作った異界です。大型商業施設であるジュネスは、まさにその町で暮らす人々の欲望、情報、消費行動が最も集中するシンボルでした。大衆の意識が集積するジュネスの家電コーナーこそが、異世界と現実世界を接続する扉として最も適していたわけです。