効率性とタイムパフォーマンス(タイパ)を極限まで追求する現代社会において、この空間が提供するのは皮肉にも「何もしない時間」だ。
店内にはWi-Fiこそ飛んでいるものの、一部のエリアは「デジタルデトックスゾーン」に指定されており、スマホの使用が制限されている。無料だからこそ、長居することへの罪悪感がない。勉強に集中する学生、アイデアを練るクリエイター、あるいはただ窓の外を眺める会社員。それぞれが、都市の喧騒から切り離された「余白」を享受している。
「お金を払っていないからこそ、顧客としての過剰な期待やストレスから解放される」と、ある常連の大学生は語る。店員と客という主従関係がなく、フラットなコミュニティスペースとして機能しているのだ。