西新宿の変貌を決定づけた最大のイベントは、有楽町からの都庁移転構想だった。この巨大プロジェクトの設計を手掛けたのが、世界的な建築家・丹下健三である。1991年に完成した東京都庁舎は、パリのノートルダム大聖堂を思わせる双子タワーの力強い造形により、一躍東京の新ランドマークとなった。
丹下が描いたマスタープランは、単なるビル群の建設にとどまらない。歩行者デッキと車道を完全分離した立体的な交通網、緑豊かなオープンスペースの配置など、未来都市の実験場としての思想が隅々まで注入された。結果として都庁舎の誕生は、新宿を名実ともに日本のビジネスと行政の中心地へと押し上げることになった。