当時の制作関係者の証言から浮かび上がってきたのは、カメラが回っていない場所でも漂っていた異常なまでの緊張感だった。長渕剛は妥協を一切許さない。リハーサルから本気で殴りかからんばかりの鬼気迫る気迫を放ち、共演者に容赦ないプレッシャーを与え続けたという。
現場では役に没頭するあまり、プライベートと役柄の境界線すら曖昧になる瞬間が多発した。妹役の国生さゆりに対しても、現場では完全に実の兄妹以上の濃密な絆と執着を求めた。二人の間に流れていた空気は単なる共演者の域を遥かに超えており、あまりの密接さに現場では「本当に恋人同士のような愛憎が生まれているのではないか」と噂された。撮影裏で見せた緊迫感と互いへの深い敬意、そして隠された真実。それこそが作品に宿る凄まじいリアリティの正体だった。