表舞台の喧騒から身を引いた俊樹氏は現在、どこで何をしているのか。政界引退やビジネス転身といった憶測が飛び交う中、地元関係者や永田町筋から漏れ聞こえてくる情報は、意外な実態を描き出している。
「俊樹氏は今も地元・紀南地方を丹念に歩き、かつての父の支持者や企業関係者との対話を絶やしていない」。地元後援会の古参幹部はそう声を潜める。伸康氏の総選挙敗北以降、二階支持基盤の再結束を願う保守層の一部からは、「政策実務に精通し、酸いも甘いも噛み分けた俊樹氏の復権こそが必要だ」という待望論が燻り続けているのだ。
さらに、水面下で進む保守勢力の再編を見据え、俊樹氏自身も単なる引退者として余生を過ごす気はないという見方が強い。ある自民党県連関係者は「彼は一度挫折を味わったことで、かえって人間的な丸みと粘り強さを手に入れた。次の地方選や首長選、さらには国政の補欠選挙のタイミングを虎視眈々と見極めている」と証言する。沈黙を守り続ける姿勢そのものが、次なる一手を打つための計算された潜伏期間である可能性は極めて高い。