熱がこもる感覚とともに「体に熱がこもる だるい 眠い」という強烈なトリプル苦痛に襲われるケースは少なくありません。この強い倦怠感と眠気の背景には、脳がオーバーヒートを防ごうと強制的にブレーキを踏んでいる生体防御反応が存在します。
体内に熱がうっ積すると、脳の温度を一定に保つために全身の血液循環を過剰に働かせる必要が生じます。これに伴い、脳への血流維持と全身の冷却活動の間でリソースの奪い合いが起き、中枢神経系が極度の疲労状態に陥ります。これが、鉛を背負ったような全身のだるさの正体です。また、過剰な熱を抱えた身体は、代謝を落としてこれ以上の熱産生を抑えようとするため、日中であっても強烈な眠気や倦怠感を引き起こします。
さらに見逃せないのが、現代特有の体温調節機能低下の改善が追いついていない実態です。24時間温度管理された室内で過ごす時間が増えた結果、汗腺の能動化(発汗による放熱能力)が著しく退化しています。夏場に頻発する夏バテによる体熱のこもりも、汗をうまくかけないために外気へ熱を逃がせず、体内に熱エネルギーが閉じ込められる「うつ熱(heat retention)」状態が慢性化した結果にほかなりません。