暦の上で60年に一度巡ってくる丙午(ひのえうま)。古代中国から続く十干十二支の組み合わせにおいて、「丙」も「午」もともに強烈な「火」の属性を表す。この強烈な文字の重なりが、いつしか激しい炎のような激情や災いを連想させるようになった。
半世紀以上前、昭和41年の日本において、このジンクスはあまりにも目に見える形で猛威を振るった。当時の記録によれば、前後の年に比べて極端な落ち込みを記録。我が子の将来を案じる親たちが避妊や出生届の時期をずらすなどの行動に走り、翌年には急反発するという異常事態となった。人々の強い思い込みが、国家規模の統計データすら書き換えてしまった歴史的瞬間である。