ワイシャツの脇の黄ばみが通常の洗濯で落ちない最大の理由は、汚れの性質が「水溶性」ではなく「脂溶性および不溶性」である点にあります。脇の下にはエクリン汗腺だけでなく、脂質やタンパク質、糖質を多く含む汗を分泌するアポクリン汗腺が密集しています。これらが分泌する皮脂成分がシャツの繊維奥深くに浸透し、空気中の酸素に触れて酸化することで特有の黄色い色素へと変色します。
さらに見落とされがちな盲点が、制汗剤アルミニウム化学反応による着色です。一般的な制汗デオドラント製品に制汗有効成分として配合されている塩化アルミニウムやクロルヒドロキシアルミニウムが、汗に含まれる尿素やタンパク質、皮脂と混ざり合うことで、不溶性の強固な結合体を形成します。この複合的な汚れは通常の弱アルカリ性・中性洗剤による水洗いではほとんど分解されず、繊維に強固に焼き付いてしまうのです。