映画関係者や共演者から「憑依型」と称される筒井真理子の凄みは、徹底的なアプローチに裏打ちされています。『淵に立つ』の撮影時には、物語の前半と後半で時間の経過と精神的な崩壊を表現するため、短期間で約13kgもの体重増減を行いました。前半の撮影に向けて体重を増やし、後半のやつれ果てた姿を体現するために過酷な減量に挑んだエピソードは、彼女のプロ意識の象徴として語り継がれています。
また、セリフのない場面での佇まいや視線の揺らぎだけで、登場人物のバックボーンを物語る技術は卓越しています。サスペンスからコメディ、重厚な人間ドラマまで幅広くこなす柔軟性を持ち、映画だけでなくテレビドラマでも欠かせないバイプレイヤーとして重宝されてきました。
『大豆田とわ子と三人の元夫』や『エルピス―希望、あるいは災い―』といった話題のテレビドラマでも、短い出演時間でありながら強烈な爪痕を残し、視聴者から「画面に映るだけで空気が引き締まる」と絶大な信頼を寄せられています。