素材選びの成否が、仕上がりの8割を左右する。コンポートに最も適しているのは、完熟の一歩手前、お尻の部分がわずかに開きかけた「桝井ドーフィン」や、ねっとりとした濃厚な甘みを持つ「とよみつひめ」などの品種だ。
熟しすぎた果実は加熱によって形を失いやすく、逆に未熟すぎると青臭さが残る。軸の付け根ギリギリで切り落とし、お尻の十字部分に浅くナイフを入れることで、煮汁の染み込みが格段に均一になる。皮ごと煮て後から剥くか、最初から湯むきするかによっても、仕上がりの赤ワインの色の乗り方が劇的に変わる点も見逃せない。