この場所が世界的な評価を受ける最大の理由のひとつが、圧倒的な質と量を誇るスペイン美術のコレクションだ。外交官として昭和初期のスペインに赴任した須磨弥吉郎が、激動の時代の中で収集した美術品の数々は、現在も当館のコア・コレクションとして光を放っている。
中世の宗教画からサヴァドール・ダリやピカソをはじめとする近代の巨匠まで、アジア最大級の規模を誇るこの展示群は、日本の西洋美術史研究においても極めて重要な意味を持つ。一個人の眼識によって選ばれた作品群は、単なる歴史の記録を超え、東洋と西洋の美意識がどのように共鳴し合ったのかを静かに物語っている。