オービスに撮影された場合、速度違反出頭通知書はいつ届くのか。警察の画像処理工程と事務フローから、到着までの期間には一定の法則があります。
撮影されたデータは即座に警察本部の交通反則通告センターや交通捜査課に送られます。警察官がナンバープレートを読み取り、陸運支局の登録データベースと照合して車検証上の所有者を特定。その後、顔写真の照合作業を経て「速度違反出頭通知書」が発送されます。
発送にかかる日数は、撮影後「約1週間〜3週間」が最も標準的です。ただし、レンタカーや社用車で契約者の特定に時間を要する場合や、警察の繁忙期には1ヶ月〜2ヶ月近く遅れて届くケースも報告されています。
「光ったのに通知が来ない」5つの構造的理由
撮影されたような感覚があっても、結果として通知が届かないケースが存在します。主な原因は以下の通りです。
- ナンバープレートの欠損・汚れによる判読不能:泥はねや直前の激しい雨、逆光などによってナンバーの特定が物理的に不可能な場合。
- 運転者の顔が特定できない:サンバイザーの深い使用や大型サングラス、特殊な反射等により「誰が運転していたか」の立証が困難と判断された場合。
- 事前警告・テスト発光・誤認:装置の自己診断プログラムや、光の反射によるドライバーの錯覚。
- 超過速度が検挙基準の閾値未満だった:測定精度検査のためのログ記録など、刑事処分基準に達していない微細な速度超過であった場合。
- 行政側の処理限界・期限切れ:公訴時効(道路交通法違反は原則3年)以前に、証拠不十分として処理が見送られるケース。
速度取締り写真の法的証拠能力と憲法判断
「勝手に顔写真を撮影するのは肖像権侵害ではないか」という主張は、過去の裁判で幾度となく争われてきました。最高裁判所判例(昭和44年12月24日大法廷判決および昭和61年2月14日判決)において、最高裁は次のような法理を示しています。
「現行犯罪が行われていると認められる場合、警察官が緊急に証拠保全を行う必要性があり、その撮影方法が社会的相当性を有する限度内であるならば、個人の承諾がなくとも憲法13条に違反しない」
現代の高解像度デジタルカメラで記録された「鮮明なドライバーの顔」「車両全体像」「測定速度」「日時・地点データ」は、法廷において極めて強固な証拠能力を有しており、写真の存在をもって違反を否認することは実質的に困難です。