太刀魚の唐揚げに関して、ネット上で散見される代表的な誤解が「銀色の皮をすべて削ぎ落とさないと生臭くなる」という説です。
しかし、これは明確な誤解です。太刀魚の銀皮の主成分であるグアニンは核酸を構成するプリン塩基の一種であり、それ自体が無臭です。むしろ皮と身の間に強い旨味と良質な脂が凝縮されているため、皮を剥ぎ取ってしまうと太刀魚特有のコクが失われてしまいます。臭みの真の原因は「皮」ではなく、「内臓周辺の血合いの残り」と「時間経過で身から出たドリップ」です。
また、「小麦粉を厚くまぶせばジューシーに仕上がる」という思い込みも危険です。太刀魚は水分量が多いため、小麦粉の厚衣にすると内部の蒸気がこもって衣がベチャつき、生臭さを閉じ込めてしまいます。サクサク感を維持するためには、必ず片栗粉(または片栗粉8:小麦粉2のブレンド)を極薄くまぶすことが科学的な正解です。