ネット上の情報やSNSのキラキラした投稿を鵜呑みにすることで、卒業直前の貴重な時間を台無しにしてしまうトラブルも後を絶たない。特に注意すべきは「卒業までにやりたいことリスト」の運用における落とし穴である。
SNS上では「制服ディズニー」「放課後カラオケオール」「全員での卒業旅行」といった理想的なToDoリストが拡散されがちだが、これらを過剰に詰め込むことには構造的なリスクが伴う。第一に、進路決定時期の温度差である。推薦入試等で年内に進路が決まった生徒と、国公立後期や一般入試の最終盤まで戦っている生徒の間では、可処分時間も精神的余裕も全く異なる。一方的な遊びの提案が、知らず知らずのうちに周囲へプレッシャーを与え、長年の友情に亀裂を入れるケースが散見される。
第二の盲点は、事務手続きの締め切りと金銭トラブルだ。高校や大学を卒業する際、各種証明書の発行依頼、学生証の返還、奨学金の継続手続きや返還説明会の出席など、義務付けられた事務作業が山積している。卒業旅行の予約キャンセル料を巡る友人同士の金銭トラブルや、提出期限を忘れて新生活のスタートに支障をきたす事例は、毎年各相談窓口に多数寄せられている。
残り時間を無駄にしないための鉄則は、「華やかなイベント」を無理にこなすことではなく、日常の延長線上にある感謝を伝えること、そして新生活に必要な実務を確実に片付けることにある。