SUUMOやLIFULL HOME'Sといった全国規模のポータルサイトを開けば、無数の物件情報が瞬時に画面を埋め尽くす。しかし、京都市内の不動産賃貸仲介業の現場では、Web掲載前に成約へ至るケースが日常茶飯事だ。大家と不動産会社が築いてきた数十年の信頼関係によって、「まずはあの担当者に声をかけよう」と水面下で動く部屋が確実に存在する。
京都の街並みは碁盤の目と称されるが、通りが一本異なるだけで街の表情も家賃相場もガラリと変わる。学生街の喧騒から路地奥の静寂へ、わずか徒歩数分で空気が一変するこの街において、アルゴリズムだけで自分に最適な住まいを導き出すのは容易ではない。地元の空気感を知り尽くした仲介業者の足を使った情報収集こそが、ミスマッチを防ぐ防壁となる。