人間の体のおよそ約60%は水分で構成されており、そのうち3分の2は細胞内(細胞内液)、残る3分の1は血液やリンパ液、細胞と細胞の間を満たす間質液(細胞外液)として存在しています。通常、この水分バランスはナトリウム(塩分)とカリウムの濃度差によって一定の浸透圧に保たれています。
しかし、前夜に塩分の多い食事を摂ると、血液中の塩分濃度を薄めようとして血管外から水分が引き込まれ、間質液の量が異常に増加します。これがむくみの直接的なメカニズムです。さらに就寝中は横になるため水分が全身へ均等に移動し、朝起きると皮膚の薄い「顔や目元」に顕著な腫れとして現れます。逆に日中は重力の影響で水分が下半身へと落ち、夕方にかけて「ふくらはぎや足首」がパンパンに張ってしまうのです。
「むくみたくないから水分を飲まない」という選択は、生理学的に完全な誤りです。水分補給を絶つと、体内は脱水危機を察知して抗利尿ホルモンを分泌し、尿の排出を止めて水分を体内に死守しようと働きます。結果として老廃物は滞留し、むくみはさらに強固になります。余分な塩分を押し流し、代謝のサイクルを再起動させるためには、浸透圧調整物質(カリウム)を含んだ良質な水分の補給が欠かせません。