当美術館の核心部といえるのが、機械仕掛けとは思えない表現力を誇る自動演奏楽器群です。なかでもメインホールに鎮座する「世界最大級のダンスオルガン」は、幅約13メートル、高さ約5メートルにも及ぶ威容を誇り、かつてヨーロッパのダンスホールで人々を魅了した大音量のオーケストラサウンドを現代に蘇らせています。
さらに歴史ファンや音楽愛好家の注目を集めるのが、1912年に悲劇の沈没を遂げた豪華客船「タイタニック号」に搭載される予定だったフィルハーモニック・オーケストリオンです。納品スケジュールの都合で処女航海への積み込みが間に合わず、奇跡的に難を逃れたこの銘機は、当時の上流階級が愛した豊潤な響きを今に伝えています。ホール内に響き渡る深みのある音色は、デジタル音源では決して味わえない空気の震えと臨場感をもたらします。