「韻波句徒」が2020年代以降に再び社会現象となった背景には、明確な2つの契機が存在します。
第1の契機は、YouTubeチャンネル『THE FIRST TAKE』への出演です。白いスタジオにマイク一本で立ち、鬼気迫る形相とブレない声量で放たれた「韻波句徒」のパフォーマンスは、公開直後からSNS上で爆発的な拡散を記録。当時を知らない10代〜20代のリスナーに対して、「ジャパニーズレゲエのディージェイが持つ異次元のスキル」を生々しく見せつけました。ブレスの乱れすらグルーヴへと昇華する生々しい歌唱は、打ち込みやオートチューン全盛の現代において、生身の人間が放つエネルギーの価値を再認識させたのです。
第2の契機は、HIPHOPのMCバトルシーンへの電撃参戦です。『凱旋MC Battle』や『KING OF KINGS(KOK)』などの大舞台において、レゲエディージェイの看板を掲げて登場したCHEHONは、百戦錬磨のトップラッパーたちを相手に真っ向勝負を敢行。バトル中の随所で自らの代名詞である「韻波句徒」のパンチラインを巧みにサンプリング・引用し、圧倒的な声量と現場対応力でオーディエンスをロックしました。
レゲエとHIPHOPという、ときに反目し合いながらも根底で繋がる2大カルチャーの架け橋となったこの挑戦劇が、楽曲の伝説性をさらに強固なものへと押し上げたことは間違いありません。