鳥の絵で運気は変わる?風水効果と伊藤若冲の名画に見る深層心理

鳥の絵で運気は変わる?風水効果と伊藤若冲の名画に見る深層心理

鳥の絵で運気は変わる?風水効果と伊藤若冲の名画に見る深層心理の疑問点について、専門知識を詳しくお届けします。

日本美術において、鳥は決して単なる自然描写の客体ではありませんでした。特に近年、国内外の展覧会で圧倒的な動員数を記録し続けている江戸中期の奇想の絵師・伊藤若冲(1716–1800)の代表作『動植綵絵』(全30幅、宮内庁三の丸尚蔵館所蔵)は、鳥を描くことの精神的極致を示しています。

若冲は自宅の庭で何羽もの軍鶏(シャモ)を放し飼いにし、その筋肉の躍動、羽毛の一本一本、瞳の光彩を何年間も凝視し続けた末に筆を執ったと伝えられています。『紫陽花双鶏図』や『群鶏図』に見られる緊迫感と生命の輝きは、仏教の「草木国土悉皆成仏(あらゆる生命には仏性が宿る)」という思想の具現化に他なりません。当時の文献や画論の分析によれば、若冲にとって鳥を描く行為は、対象の表面をなぞることではなく、鳥の内側に脈打つ「神気」を画面上に定着させる祈りそのものでした。

また、東洋における伝統的な「花鳥画」の歴史を辿ると、季節の移ろいとともに鳥と花をセットで描くことで、自然界の完璧な調和を生活空間に再現しようとする試みが連綿と続けられてきました。中国の宋代における写実的院体画から、日本の狩野派、円山応挙、近代の竹内栖鳳や菱田春草に至る鳥の絵画 日本画の潮流は、常に鑑賞者の心を解き放ち、室内に清浄な生気を吹き込む装置として重宝されてきたのです。

一方、西洋の鳥の絵 油絵 巨匠の系譜を見ても、パブロ・ピカソが平和の象徴として描いた『鳩』のシンプルなリトグラフや、ルネ・マグリットの『大家族』に登場する雲のテクスチャをまとった空飛ぶ鳥など、鳥は常に人間の精神的な自由や理想郷(ユートピア)のメタファーとしてキャンバスに刻まれてきました。

高橋 健太
著者

高橋 健太

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。